黒蘭の蔵

気に入ったもの、気になったものを放り込んでおく蔵

2015-11

PSV『夜廻』 感想

夜廻 19

PSV『夜廻』の感想を。
※ネタバレになる内容が含まれます。
ご覧になる方はご注意ください。


ダウンロード版で総プレイ時間50時間以上、一部アイテム収集に攻略情報を参照し、トロフィーコンプリート。
『バイオハザード』や『ラスト・オブ・アス』などプレイしましたが、ホラーゲームはあまり好んでプレイしないタイプ。
そんな人の感想になります。



『夜廻』はひとりの女の子が、行方が分からなくなった飼い犬と姉を探し出すため夜の町へと飛び出していく、探索ホラーアドベンチャーゲーム。

夜の町にはなぜかお化けのような怪しいモノたちが数多く徘徊しており、明かりが当たることで姿が見えるものや突然現れておどかすもの、女の子を見つけると追いかけて来るものや無害に漂うものなど、タイプは様々。

どのようなタイプのお化けでも女の子の近くにいると「ドクンドクン」と心臓の鼓動が早まる音声演出があります。
姿の見えないお化けなどはこの拍動音で近付いて来てると判断できると同時に緊張感が高まります。



お化けによっては小石を投げて気をそらせたり、光に反応するものはマッチで誘導したり、あるいはただ歩いて通り抜けたりと対処方法はありますが、彼らを排除するための手段は無く、女の子ができることは逃げることのみ。
もう少しお化けによってアイテムに対するリアクションや効果が違っていたりすると面白かったと思います。

Rボタンを押しながら移動することでスタミナを消費しながらダッシュができます。
ただし、そばを走ることで女の子に気付くお化けもいるので注意が必要。
また鼓動が早まっている(お化けがすぐそばにいる)状態のときにダッシュするとスタミナの消費が早くなります。
スタミナを使い切った状態で走る操作をしても歩くスピードになるだけで、立ち止まるといったペナルティなどは特に無いようです。
歩いている間にスタミナは回復しますし、慣れるといくつかのお化けはスタスタ歩いて(笑)振り切ることができるようになります。



お化けの回避方法のひとつとして茂みや看板などに隠れることもできます。
女の子の姿を見失うと元の場所へ戻っていくお化けもいますが、その場に留まってしまうタイプもいるのでその有効性は微妙なところ。
ラスボスでは回避というよりスタミナ回復ポイントとして利用することになります。

町の中でお化けが出る場所とその種類はほぼ決まっているようで、それを把握することで探索もしやすくなると思います。
特に突然後ろから走って襲いかかってくるタイプのお化けが出る場所は覚えておいたほうがいいですね。



場所によってはいつもと異なる状況になっているところもあり、収集アイテム取得に関わってくる場合もあります。
上の画像の状況では特に何かあるわけでもないようですが。



町の中にはお地蔵さんがいくつかあり、10円玉をお供えすることでゲームオーバーになった場合の再開地点となるチェックポイントとしてや、瞬間移動用ファストトラベルポイントとして利用できます。
地蔵セーブはあくまでチェックポイントであり、ゲームを終了する場合にはマップ画面から家に帰り、自室でセーブする必要があります。
家に帰れない章では、電池の状態を確認しながらVitaのスリープを使いましょう。


ジャンルとして「ホラー」となっており、初めて目にするお化けや状況に対しては確かにハラハラと恐怖感を抱き、ビクビクしながら探索を進めていました。
後ろから来るお化けやマンホールなど、ビックリ系もありますね。

ただゲームとしてはいわゆる「死にゲー」に近く、「初見殺し」も少なくありません。
先へ進めるために何度も同じ場所で同じお化けと対峙してはゲームオーバーになり、それを繰り返すうちに恐怖感が薄れていくようにも感じ、死んでもいいからとりあえず進んでみる、といったプレイになることもありました。



また所々、瞬時の判断や操作が求められ、高難度に感じる場所もあります。
ちゃんと対応すれば進める場所でも何度もゲームオーバーになるので、イベント的に進めないようになっているのかなと感じるところもありました。
敵対的お化けに触れるといかなる場合でも即死となるのがちょっと惜しいというか、何か抵抗できる要素があればゲームとして楽しかったかも、とも思います。

ゲームオーバーになってもそれまでに手に入れたアイテムや開けた鍵など、進行状況は維持されたまま、お供えをしたお地蔵さんから再開できます。
それもある意味では恐怖感が薄れる一因かもしれませんが、どちらかと言えば救済措置というか、私は遊びやすく感じましたね。
具体的に描かれるわけではないとはいえ、何度も女の子が死んでしまうのは心苦しいですしw




物語に関してまず注意喚起しておきたいのは、犬好きの方などにとってはツラい描写があること。
ゲーム開始冒頭からなかなかショッキングでしたね。
ラスボスあたりで犬が女の子を助けるような演出があると色々と納得できたんだけどなあ、という気はします。

なぜ町にお化けがたくさんいるのか、なぜ女の子たちがああいったことになるのかといった具体的な背景は語られません。
そこはプレイヤーの想像に任せるといった感じでしょうか。
一応、断片的なヒントとなるようなこともアイテムなどで見ることができます。

ストーリーは全7章となっており、それぞれ異なるエリアを探索することになります。
時間的には1日あればクリアできるほどのボリュームかもしれません。
まぁ、ビクビク緊張しながらぶっ通しでプレイするのも疲れるので、1日数時間、数日に分けて進めるのもいいと思います。



本編終了後はアイテム収集などのため、夜の町を自由に探索することができます。
ただしお化けはそのまま徘徊しているのでちょっとメンドいですw
とはいえ、あちこち歩き回ったり、アイテム取得のため推理したり、ランダム要素で変化が起きているのを見るのは楽しかったですね。

夜の暗い雰囲気はなかなか良かった。
明かりの無い森などで懐中電灯の明かりは頼りになるようでもあり、心許ないようでもあります。

サウンドも夜の不安げな雰囲気をかもし出します。
静けさの中に響く自動販売機の機械的な音や側溝のフタの上を歩く音、お化けの息遣いやどこからか聞こえる赤ん坊の泣き声。
メインテーマ曲となるピアノ音楽もいいですね。


プレイされた方の中には本編のボリュームの長さに対してソフトの価格が高すぎるといった不満もあるようです。
本編のボリュームに関しては私も短く感じましたが、価格に関しては「やや割高かな?」、程度の感覚ですね。
パッケージよりは1000円ほど安いDL版を購入したというのもありますが、本編終了後の探索、アイテム集めでも主体的に夜の町を歩き、その世界で遊び、楽しんだと思えたからだと思います。
新規IPですし、ご祝儀的にも出していい価格の範囲ではないでしょうか。



ゲームプレイ中のエラー、フリーズなども報告されているようです。
私も、本編プレイ中は何事も無くクリアできたんですが、探索中に何度かフリーズしたことがあります。
どういった条件で発生するのか分からないので、可能な限り自宅セーブをしておくことが必要かもしれません。

ただ、セーブデータはひとつしか保持できず、クリア済みの章を選んで再プレイすることなどもできません。
新たにストーリーをプレイするにはデータを消去し、始めからやり直す必要があります。
これはちょっと残念なところですね。


改めてまとめると、ホラーとして初めて訪れる場所、出会う影などに不安や恐怖感を抱く一方、ゲームとしては試行錯誤を繰り返して先へ進むアクティブな気持ちが要求されるようなタイトル。
物語はやや短く、ツラい展開、明確に語られない部分もありますが、舞台背景や女の子の心情などはなんとなく推測でき、悪くない物語だと思います。
静かで不気味な夜の町の雰囲気も良い。

ホラー要素にやや高めの難易度、価格の割高感に尻込みされる方もおられるかもしれませんが、勇気を出して女の子と一緒に夜の町を歩いてみてもらいたいですね。
きっと何かが見つかるかもしれません。

あるいは“何かに”見つかるかも・・・。






関連記事:
PSV『夜廻』 アイテム収集終了/2015年11月12日
PSV『夜廻』 まだプレイ中/2015年11月6日
PSV『夜廻』 クリア/2015年10月31日
PSV『夜廻(よまわり)』を買いました/2015年10月29日


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